宗昭 (1270-1352) 覚如上人の諱。 本願寺第三代宗主。 覚信尼公の孫で、 覚恵法師の長子。 はじめ慈信房澄海について内外の典籍を学び、 ついで宗澄から天台、 行寛から唯識を学ばれたが、 弘安十年 (1287) 奥州大網の如信上人に会って宗義を受得された。 その後、 父覚恵法師とともに関東の親鸞聖人の遺跡を巡拝し、 帰洛して ¬報恩講私記¼ ¬御伝鈔¼ を著された。 正安三年 (1301) ¬拾遺古徳伝¼ を作り、 浄土門流における親鸞聖人の地位を明らかにされた。 翌年覚恵法師から留守識譲状を受け、 延慶三年 (1310) 留守識に就任し、 以後越前大町をはじめ諸地方を巡って教化し、 また ¬口伝鈔¼ や ¬改邪鈔¼ を著して三代伝持の血脈を強調し、 本願寺を公称して寺院化を図るなど本願寺教団の確立に尽力された。 しかし長子存覚上人とは不和が絶えず、 元亨二年 (1322) に義絶してより、 その後和解、 義絶を繰り返された。 著書には上記のほか ¬執持鈔¼ ¬願願鈔¼ ¬最要鈔¼ ¬本願鈔¼ ¬出世元意¼ などがある。