◎十二礼
【1】 ^浄土の聖衆たちに恭敬せられたもう
阿弥陀仏を礼拝したてまつる
かの清浄にして妙なる安楽国におわしまして
多くの菩薩たちにかこまれたもう
【2】 ^金色の御身は浄らかで須弥山のようであり
*
御目の浄らかなことは青蓮華のようである
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【3】 ^浄くうるわしきかんばせは満月のごとく
けだかき光は なお千の日月のようであり
み声は天鼓や*
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【4】 ^観音のいただく冠の中にとどまりたまい
種々のたえなる宝でかざられている
よく外道や悪魔の憍慢を降伏させる
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【5】 ^けがれなく広大清浄なることはたぐいなく
おおくの徳があきらかでいさぎよいことは虚空のようである
すべてのものを利益されるはたらきは自在を得たもう
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【6】 ^十方の世界の名のきこえた菩薩たちや
数知れぬ魔王もつねにほめたたえる
衆生済度のために弥陀は願力をもって
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【7】 ^金沙を底とし宝をまじえた池に生じた蓮華は
きよき善根によって成る妙なる台座である
その座上に須弥山のように坐したもう
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【8】 ^十方より集まる菩薩たちは
神通をもって安楽国に到り
尊顔を仰ぎみて常に恭敬する
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【9】 ^「あらゆるものの常なく我の体がないことは
水にうつる月影や露・
衆のために諸法の*
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【10】^かの仏の浄土には悪の名さえもなく
また女人・悪道の怖れもない
すべての人は心からかの仏を敬いたてまつる
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【11】^かの阿弥陀仏のはかりなき自利利他成就の浄土には
もろもろの迷いの境界や悪知識はない
往生して不退に入り仏のさとりに至る
それ故わたしは阿弥陀仏を頂礼したてまつる
【12】^わたしはいま阿弥陀仏の功徳を説きたてまつる
多くの善根の無辺にましますことは海水のようである
みずから得たこの清浄の善根を
衆生にも知らせて共にかの国に往生しよう