0329

^¬しようさんじやうきやう¼のたま はく玄奘グヱンジヤウ三蔵サムザウノヤクナリ

^仮使 たとひ ひゃくせんてい那由他なゆたこふ↡、もてそれりゃうひゃくせんてい那由なゆたのした一一ゐちゐちしたうへいだしてりゃうこゑほめむにそのどくまたあたつく。」 ること

註釈版の底本は◎龍谷大学蔵文明五年蓮如上人開版本(文明本)ˆ聖典全書上段ˇであるが、 対照のため○高田派専修寺蔵国宝本(国宝本)ˆ聖典全書中段ˇを収録した。 なお、 ●高田派専修寺蔵正応三年顕智上人書写本(顕智本)ˆ聖典全書下段ˇの左訓も適宜採録し、 灰色で示している。

 

浄 土 和 讃

(正03305)

弥陀のみやうがうとなえつゝ

信心まことにうるひとは

憶念おくねむしむつねにして

仏恩ぶちおんほうずるおもひあり

(正12)

誓願不思議をうたがひて

御名みなを称する往生は

宮殿のうちに五百歳

むなしくすぐとぞときたまふ

(顕智本別首2)

末法まちぽふぢよくのよとなりて

しや遺教ゆいけうかくれしむ

ノコリノミノリ

弥陀みだぐわんはひろまりて

念仏往生とげやすし

(顕智本別首3)

ざう末法まちぽふしゆじやう

行証ぎやうしようかなはぬときなれば

しや遺法ゆいほふことごとく

ノコリノミノリ

りうにすでにいりたまふ

  0331

^¬讃0332阿弥陀仏偈¼曰 曇鸞どむらんくわしやうざうツクリタマフ

^南无阿弥陀仏 しやく して名↢なづく¬りやう寿じゆばうきやう¼↡奉↠たてまつ りてほめまたいふ安養↡あんやうと

 ^じやうぶちらいりやく十劫じふこふ

 寿じゆみやうほうしやうりよう

 法身ほふしんくわうりんへん法界ほふかい

 せうまうみやうちやうらい

^ 1また号↢なづけ たてまつるりやうくわう

 2しん  じち   みやう

 3又号 む  へん くわう

 40333びやう  どう   かく

 5又号 む  げ くわう

 6なん   じ    ぎ 

 7又号 む  たい くわう

 8ひち  きやう   え 

 9又号くわう えむ わう

 10だい  おう    ぐ 

 11又号清浄しやうじやうくわう

 12又号くわん ぎ くわう

 13だい  あん    ゐ 

 14又号 ち  ゑ くわう

 15又号 ふ  だん くわう

 16又号 なん  じ くわう

 17又号 む しやうくわう

 18てう にち ぐわちくわう

^190334  とう   どう

 20くわう  だい    え 

 21だい  しむ   かい

 22  じやう  そん

 23びやう  どう   りき

 24だい  しん   りき

 25  しよう  ぶち

 26   が    ば 

 27かう      だう

 28しやうじやう だい せふ じゆ

 29 か  し  ぎ  そん

 30だう  じやう  じゆ

 31しん   む   りやう

 32しやう  じやう  がく

 33ほんぐわん く  どく じゆ

 340335しやう  じやう  くん

 35  どく   ざう

 36  ごく   そん

 37くわう

 已上阿弥陀如来尊号そんがう 已上略抄之

 

^¬じふぢゆしやろん¼曰◗いはく

ざいにん  清浄しやうじやうにん りやうとく

0336阿弥陀仏偈和讃

愚禿親鸞作

南无阿弥陀仏

(1)

弥陀みだじやうぶちのこのかたは

いまに十こふをへたまへり

法身ほふしんくわうりんきはもなく

まうみやうをてらすなり

メシヰノクラキトナリ

(20337)

智慧ちゑ光明くわうみやうはかりなし

チハアレハアレコレハコレトフンベチシテオモヒハカラフニヨリテシユイニナヅク

ヱハコノオモヒノサダマリテトモカクモハタラカヌニヨリテフドウニナヅク フドウザムマイナリ

りやう諸相しよさうことごとく

ウリヤウハセケンニアルコトハミナハカリアルニヨリテウリヤウトイフ ブチポフハキワホトリナキニヨリテムリヤウトイフナリ

くわうけうかぶらぬものはなし

ヒカリニテラサルヽナリ

真実しんじちみやうくゐみやうせよ

ワアミダニヨライナリ

シントイフハイツワリヘツラワヌヲシントイフ

ジチトイフハカナラズモノヽミトナルヲイフナリ

(3)

だちの光りんきわもなし

クダク

ゲダツトイフハサトリヲヒラキホトケニナルヲイフ ワレラガアクゴフボムナウヲアミダノオムヒカリニテクダクトイフコヽロナリ

そくかぶるものはみな

ヒカリヲミニフルヽトイフコヽロナリ

有無うむをはなるとのべたまふ

ジヤケンヲハナルヽトナリ

びやうどうかくに帰命せよ

アミダハホフシンニテマシマスアヒダビヤウドウカクトイフナリ

(40338)

くわううん无むげによ虚空こく

さい有うげにさはりなし

サワル

ヨロズノコノヨノコトナリ

たくかぶらぬものぞなき

ウルオウ

ヒカリニアタルユヘニチヱノイデクルナリ

なん思議じぎに帰命せよ

コヽロノオヨバヌニヨリテナンジギトイフ

(5)

清浄しやうじやう光明くわうみやうならびなし

スミ キヨシ

トムヨクノツミヲケサムレウニシヤウジヤウクワウミヤウトイフナリ

遇斯ぐしくわうのゆえなれは

マウアフトイフ

コノヒカリニアフモノハ

一切のごふものぞこりぬ

ゴフニツナガル

ひちきやう帰命せよ

オワリ反ツイニ反 メシニ反

オワル反キワム反

ヨル反シタガフ反

ホフシンノサトリノコルトコロナクキワマリタマヒタリトイフコヽロナリ

(60339)

くわう照曜せうえう最第さいだい

テラシ

カガヤクコト

サイハコトニモトモスグレタリトイフコヽロナリ

くわうえむわうぶちとなづけたり

黒闇こくあむひらくなり

おう帰命せよ

カナウ反コタフ

一サイシユジヤウノクヤウヲウケマシマスニコタエタマフニヨリテダイオウグトイフ

(7)

だうくわうみやうらう超絶てうぜちせり

アキラカニ

ホガラカナリ反

スグレタリ

ダイクワウミヤウラウテウゼチトイフハアミダニヨライナリ

タエタリ反タエタリトイフハスグレタルニヨリテマフスナリ

清浄光仏となづけた

アミダニヨライナリ

ひとたびくわうせうかぶるもの

ヒカリニテラサルヽトイフナリ

ごふをのぞきだちをう

サトリ反サトル反

アクゴフボムナウオモノゾキゲダチオモウ ゲダチトイフハブチクワニイタリホトケニナルヲイフ

(80340)

くわうはるかにかぶらしめ

アワレムヒカリ

ジハチヽノジヒニタトフルナリ

ひかりのいたるところには

ほふをうとぞのべたまふ

ヨロコビ反

クワンギクワウブチヲホフキトイフ コレハトムヨクシンイグチノヤミヲケサムレウナリ

あん帰命せよ

ダイアンヰハミダノミナナリ 一サイシユジヤウノヨロヅノナゲキウレエワルキコトヲミナウシナフテヤスクヤスカラシム

(9)

みやうあむするゆへ

智慧ちゑくわうぶちとなづけたり

一サイノシヨブチノチヱヲアツメタマエルユヘニチヱクワウトマフス ヰチサイシヨブチノ仏ニナリタマフコトハコノアミダノチヱニテナリタマフナリ

一切諸仏しよぶちさむじようしゆ

シヤウモンエンガクボサチコレヲ三ジヨウトイフナリ

ともにたんしたまへり

ホメホム

(100341)

光明くわうみやうてらしてたえざれば

だんくわうぶちとなづけたり

もんくわうりきのゆへなれば

モントイフハキクトイフ キクトイフハコノホフヲキヽテシンジテツネニタエヌコヽロナリ

しむだんにて往生す

◗ズ タエ

ボダイシムノタエヌニヨリテフダントイフ

(11)

ぶちくわうしきりやうなきゆへに

ハカルニキワナシ

リヤウハカズヲシルヲイフナリ

ハカリ反シキハハカライノキワナキヲイフ

なんくわうぶちとなづけたり

スベテコヽロノオヨバヌニテナンジクワウブチトイフナリ

諸仏は往生たんじつゝ

ホムルナリ

弥陀のどくしようせしむ

シヨウ反ハカリ反ヨム反トナウ反

(120342)

じんくわうさうをとかざれば

ハナル反

カタチ反

ヒカリハカタチノナキナリ

ジンクワウトイフハアミダ スベテミダノカタチトキアラハシガタシトナリ

しようくわうぶちとなづけたり

スベテコトバオヨバヌニヨリテムシヨウクワウブチトマフスナリ

いんくわうじやうぶちのひかりおば

タネ

ヒカリヲタネトシテホトケニナリタマヒタリ

諸仏しよぶちたんずるところなり

(13)

光明くわうみやうつきしようぐわして

ムゲクワウニヨライハツキヒニハスグレタマヘルヒカリナルガユヘニ

てう日月光となづけたり

アミダ仏ナリ

釈迦たんじてなほつきず

等等とうどうくゐみやうせよ

ヒトシクヒトシキ人ナシ

(140343)

弥陀しよしやうじゆ

ハジメ反  オムシトイフ反

アツマリタマフ

アミダブチノホトケニナリタマヒシトキノミデシノオホクオハシマスコトナリ

算数さんじゆのおよぶことぞなき

アンラクジヤウドノシヤウジユカズキワナクオホシトナリ

浄土をねがはむひとはみな

くわうだい帰命せよ

十方のシユジヤウミナゴクラクニテ仏ニナルコトヲホフシントイフナリ

(15)

安楽あんらく无量の大さち

一生しよにいたるなり

トコロ反コトハリ反

ゴクラクニマイリナバミダノ一ノオムデシトナルコヽロナリ

げんとくくゐしてこそ

タスク

ワレラシユジヤウゴクラクニマイリナバダイジダイヒヲオコシテ十方ニイタリテシユジヤウヲリヤクスルナリ 仏ノシゴクノジヒヲフゲントマフスナリ

こくにかならずくゑするなれ

ケガル反

メグム反アワレム反オシフ反マボロシ反

(160344)

十方しゆじやうのためにとて

如来の法蔵ほふざうあつめてぞ

ヨロヅノ仏ノクドクナリ

本願ぜいくゐせしむる

心海しむかい帰命せよ

仏ノオムコヽロヒロクフカクキワホトリナキユヘニアミダオバダイシムカイトイフナリ

(17)

くわんおむせいもろともに

クワウかい照曜せうえう

アハレミカナシムヒカリ

テラシカヾヤク

ツキノヒカリノカヾヤクニカク

えんしてしばらくも

エンアルヲ ワタス

そくあることなかりけり

ヤミヤムコトナシ

(180345)

安楽あんらくじやうにいたるひと

じよくあくにかへりては

しや牟尼むにぶちのごとくにて

やくしゆじやうはきわもなし

メグミ反アワレム反

(19)

神力自在なることは

測量すべきことぞなき

ハカリキワナシトイフナリ

不思議の徳をあつめたり

タスク反

コヽロモコトバモオヨバズ

无上尊帰命せよ

(200346)

安楽しやうもんさちしゆ

人天智慧ちゑほがらかに

身相しんさうしやうゴムしゆなし

カザリ反

カザル反イツクシ反

はうじゆんじてをつらぬ

シタガフ反

(21)

顔容げんようたんじやうたぐひなし

オムカホバセ反

ナオク反

ジヤウドノヒトノカタチノヨキコトナリ

しやうめう人天にんでん

コトニヨシ

ヨシ  ミ «テンニアラズニンニアラズ»

タエナル

虚无こむしんごくたい

コムシシントイフハキワモナキホフシンノタイナリ

びやう等力どうりきに帰命せよ

アミダブチナリ

(220347)

安楽あんらくこくをねがふひと

正定しやうぢやうじゆにこそぢゆすなれ

マサシク

トモガラ

サダマル

じやぢやうぢやうじゆくにゝなし

ジヤヂヤウハマンギヤウマンゼンジリキノワウジヤウクワンギヤウノセチ

フヂヤウジユハアミダキヤウノコヽロ ギヤウハフカシギナレドモワレラジリキニシユギヤウスルアヒダフヂヤウジユトトク

諸仏讃嘆さんだんしたまへり

(23)

十方しよしゆじやう

アラユル

シヨウハ二十五ウノシユジヤウトイフワレラシユジヤウハ廿五ウニスギテムマルヽトイフコヽロナリ

阿弥陀とくのみなをきゝ

真実しんじち信心いたりなば

マコト

シンハグヰナラズケナラズグヰハイツワル反ヘツラウ反シンハカリナラズ

ミトナル

ジチハコナラズムナシカラズ

おほきにしよもんきやうせん

キク

トコロ

シヨモントイフハシンズルコヽロトイフコヽロナリ

(240348)

にやくしやうじやのちかひゆへ

ワガチカヒヲシンゼムモノモシムマレズハホトケニナラジトイフコヽロナリ

信楽しんげうまことにときいたり

ネガフ

コムガウノシンジムナリ コノタリキコムガウノシンジムノサダマルトキアミダホトケノオンコヽロニハカナフトシルベシ

一念きやうするひとは

ミニモコヽロニモヨロコブナリ

往生かならずさだまりぬ

(25)

安楽あんらくぶちしやう

エホウハヨロヅノホウジユホウチヨロヅノカザリナリ スベテノカザリノナナリ

シヤウボウハワレラガゴクラクニマイリナバジンヅウジザイニナルヲイフナリ

法蔵ほふざうぐわんりきのなせるなり

天上天にたぐひなし

大心力帰命せよ

ヨリ反タノム反

ミヤウノコトバナリ

オホセニシタガフメシニカナフトイフナリ

(260349)

安楽あんらくこくしやうごむ

しや无むげ弁才べんざい

とくともつきじとのべたまふ

しようぶち帰命せよ

ヨリタノム

ミヤウノコトバナリ

オホセニシタガフ メシニシタガフトイフ也

コトバニテハイヒツクシガタキニヨリテムシヨウブチトマフスナリ

(27)

こむたうの往生は

スデニ反クワコ

コムジヤウ反イマ反

ミライ

このしゆじやうのみならす

十方ぶちよりきたる

りやうしゆ不可計ふかけなり

ハカリナシ

カズウ

(280350)

阿弥陀仏のみなをきゝ

くわん讃仰さんがうせしむれば

ヨロコビ

クワンハミヲヨロコバシムルヲイフナリ

ヨロコブ

キハコヽロヲヨロコバシムルヲイフナリ

ホメアオグ

どくほうそくして

一念大无上なり

ネチハンニイルヲダイリトイフナリ

(29)

たとひ大千かい

みてらむおもすぎゆきて

仏のみなをきくひとは

ながく不退にかなふなり

ホトケナルベキミトサダマルナリ

(300351)

神力じんりきごくの阿弥陀は

タマシヒ

ジンヅウジザイニマシマスコトノキワマリナキナリ

りやうの諸仏ほめたまふ

東方とうばう恒沙ごうじゃ仏国ぶちこくより

ヒムガシノハウニガウガノイサゴノゴトク仏国アリトナリ

しゆさちゆきたまふ

カズキワナシトナリ

(31)

自余じよはう仏国ぶちこく

さち往覲わうごむまたおなじ

ワウジヤウシテホトケヲミタテマツルナリ

十方ヨリボサチノゴクラクヘマイリテミダヲミタテマツルコヽロナリ

釈迦牟尼如来をときて

りやうどくをほめたまふ

(320352)

諸来しよらいりやうさちしゆ

徳本とくほんうえむためにとて

クドクノホンナリ

ぎやうをいたしたん

ツヽシミウヤマウ

コヽロモオヨバズウヤマウコヽロナリ

ホメ

«コヱニアゲテホムルヲカトイフ»

ホム

«コヽロノウチニホムルヲタントイフ»

みなひと婆伽婆ばがば帰命せよ

テンジクニハ仏ヲバガバトイフナリ

(33)

«サウジユリムゲノ往生ナリ»

ぽう講堂かうだうだうじやうじゆ

クヱ

ナラウ ブチダウノニハニハ

方便はうべん化身くゑしんの浄土なり

十方来生きわもなし

ジヤウドニムマルヽトイフナリ

講堂かうだうだうじやう礼すべし

(340353)

めうくわうだいてう数限しゆげん

本願しようごむよりおこる

清浄しやうじやう摂受せふじゆ

アミダ仏也

しゆくゐみやうせしむべし

カウベ

イタス反

(35)

自利じり々他りた円満ゑんまんして

ジリハアミダノホトケニナリタマヒタルコヽロ

リタハシユジヤウヲワウジヤウセシムルコヽロ

ヱンハゼンアクスベテワカズヨキコトニナシテマシマスコヽロノミチタルコヽロナリ

ミヅカラモホトケニナリシユジヤウモホトケニナルコトヲヱンマンストイフナリ

帰命方便げうしやうごむ

タクミ反

ハウベンゲウシヤウゴムニクヰミヤウシタテマツルト

こゝろもことばもたえたれば

不可思議ふかしぎそんくゐみやうせよ

コヽロモコトバモオヨバレズ

(360354)

神力じんりきほんぐわんぎふ満足まんぞく

みやうれうけんきやうぐわん

アキラカナリ反

サトルトイフ反

コムガウシムナリ

シンノカタキヲケントイフ

コヽロノカタキヲコトイフ

慈悲じひ方便はうべん不思議ふしぎなり

しんりやう帰命せよ

(37)

宝林ほうりむ宝樹ほうじゆめう

キノシゲキニヨリテハヤシトイフ

オト

コマカナリ反

ヨシトタヘタリ

«キノエダイケノミヅハタラキウゴクモノミナノリノコヱナラヌモノナシ»

ねんしやうがくにて

アヤツル

«一キウ二シヤウ三カク四チ五ウノコヱノヤワラギタルコヽロナリ»

哀婉雅亮すぐれたり

アワレニタワヤカナルヒヾキタワヤカナリ

リヤウハタスクトヨム マタハヒトノナニハナンノスケトヨムナリ

清浄楽に帰命せよ

アミダニヨライナリ

(380355)

ぽう樹林じゆりむくにゝみつ

光耀たがひに映発えいほち

ヒカリカヾヤク

くゑくわえふまたおなじ

コノミ オホエダ ハ

本願どくじゆに帰命せよ

(39)

しやう宝樹ほうじゆをふくときは

いつゝのおむじやういだしつゝ

コヱナリ

きうしやうして自然なり

清浄しやうじやうくんを礼すべし

ニホウ

(400356)

一一のはなのなかよりは

三十六百千億の

光明くわうみやうてらしてほがらかに

いたらぬところはさらになし

(41)

一一のはなのなかよりは

三十六百千おく

仏身ぶちしんもひかりもひとしくて

相好さうがう金山こむぜんのごとくなり

サウハオホカタチ

カウハコカタチ

(420357)

相好さうがうごとに百千の

ひかりを十方にはなちてぞ

つねに妙法めうほふときひろめ

タエナルノリ

しゆじやう仏道ぶちだうにいらしむる

(43)

ぽうほういさぎよく

タカラノイケ

はちどくしゐみちみてり

无漏むろくわ不思議ふしぎなり

ボムナウノナキヲイフ

ゴクラクノシヤウゴムナリ

どくざう帰命せよ

(440358)

なんながくとぢ

ヂゴクガクヰチウシヤウナリ

クルシミ反ネムゴロニ反

たんねん快楽くゑらくおむ

タノシミノコヱノミアリ

このゆへ安楽あんらくとなづけたり

極尊ごくそん帰命せよ

(45)

十方三の无量慧

おなじく一によじようじてぞ

円満ゑんまんだうびやうどう

ヒトシト反

ヒトシク反タイラカナリト反

ニチヱンハコノシヤバセカイノチヱブチダウノチヱミナサトリタマフコトビヤウドウナリ

摂化せふくゑ随縁ずいえん不思議ふしぎなり

オサメクヱスルコト

エンニシタガフテ

(460359)

弥陀みだの浄土にくゐしぬれば

すなはち諸仏にくゐするなり

一心をもちて一仏を

ほむるは无むげにんをほむるなり

アミダノホフシンノタイナリ

(47)

信心くわんきやう所聞しよもん

エテノチニヨロコブナリ

シンジムヲカネテヨロコブ

乃曁ないかい一念しむしや

イタス

イマシオヨブマデ

イマシ一念ニイタルマデシンジチナルヒトハ

南无不可思議ふかしぎくわうぶち

めんらいしたてまつれ

(480360)

ぶちどくをほめしめて

ダイジダイヒトクドクトヲ

十方のえんにきかしめむ

信心すでにえむひとは

コムガウシムノヒトハ

つねに仏恩ぶちおんほうずべし

已上四十八首

愚禿釈親鸞作

わあ0361弥陀みだ如来くわんおむさち
せいさち
しや迦牟尼かむにぶち富楼那ふるな尊者そんじや
目犍連もくけんれん
わあなん尊者そんじや
びんしやわうだいにん
耆婆ぎば大臣だいじん
月光ぐわちくわうじん
だい尊者そんじや阿闍わあじやわう
ぎやうじん
守門者しゆもんじや

 

0362土和讃 愚禿親鸞作

¬大経¼意 二十二首

(49)

尊者そんじや阿難わあなんよりたち

そんくわう瞻仰せむがう

ミタテマツル

オホセヲアオグ

しやう希有けうしむとおどろかし

マレニアリガタキコヽロトイフナリ

曽見ぞうけんとぞあやしみし

イマダムカシモカヽルオムカホバセミタテマツラズ

(500363)

如来のくわうずい希有けうにして

ニヨライノオムヒカリコトニヨキオムカタチケウニマシマストナリ

阿難わあなんはなはだこゝろよく

によ之義しぎととえりしに

カクノゴトキノギイカナルオムコトトトイタテマツルニトナリ

しゆつほんあらはせり

ヨニイデタマフナリ

ミダノチグワンヲトカンガタメナリ

(51)

寂定じやくじやうにいりたまひ

シヅカニシヅカニマシマスコトコトニヒゴロニスグレマシマシタマフユヘハタヾアミダノミヤウガウヲトキタマハムトテヨニイデマシマスコトコトニスグレメデタクマシマスオムカタチナリ

如来のくわうげんたえにして

オムカホバセオムカタチナリ

阿難わあなんけんをみそなはし

サトリ

ミマイラスルヲ

もん慧義ゑぎとほめたまふ

コノコトヲトイマイラセタマフ

(520364)

如来こうほんには

ヨニイデタマフトイフ

本願真実しんじちひらきてぞ

なん難見なんけんとときたまひ

マウアヒガタクミタテマツリガタシ

霊瑞華れいずいくゑとしめしける

ウドムジユノハナヲレイズイクヱトイフ レイズイクヱノトキアテトキニイマシイヅルガゴトシ ウドムジユハミハツネニナレドモハナノサクコトキワメテマレナルニヨリテホトケノヨニイデタマフコトキワメテマレニマシマスアヒダタトエニヒカレタリ

(53)

弥陀じやうぶちのこのかたは

いまに十こふとときたれど

塵点ぢんでむおんごふよりも

一大三千界ヲスミニシテコノスミヲフデノサキニチトツケテクニヒトツニチトツケクニヒトツニチトツケテツケツクシテコノチリノカズヲカズヘツモリタルヲヂンデンクオンゴフトイフナリ

ひさしき仏とみへたまふ

(540365)

南无不可思議なもふかしぎくわうぶち

饒王ねうわうぶちのみもとにて

セジザイワウブチナリ

十方浄土のなかよりぞ

本願せんぢやく摂取せふしゆする

エラビ反

オサメトル

エラブ反キラフ反

セウハコトニエラビトルコヽロナリ

シユハキラヒトルコヽロナリ

(55)

无光仏のひかりには

サワルコトナキヒカリノニヨライナリ アクゴフボムナウニサエラレヌニヨリテムゲトマフスナリ

清浄しやうじやうくわん智慧ちゑくわう

グチノボムナウヲタスケムレウニチヱトナヅク

シンイノボムナウヲタスケムレウニクワンギトナヅクナリ

トムヨクノボムナウヲタスケトムヨクノツミヲケサムレウニシテシヤウジヤウクワンギトナヅク

そのとく不可思議ふかしぎにして

十方しよやくせり

シヨウシユジヤウトイフハ廿五ノ衆生也

(560366)

シム信楽しんげうよくしやう

シンジチナリ

ムマレムトオモフナリ

コムガウノシン

十方しよをすゝめてぞ

シヨウシユジヤウトイフハ二十五ウノシユジヤウナリ

不思議の誓願あらわして

真実報土の因とする

アンラクジヤウドニムマルヽタネナリ

(57)

真実しんじち信心うるひとは

シシムシンゲウノシンハシンジムハシンナリ シンジチハシシムノコヽロナリ

すなわち定聚のかずにいる

ホトケニナルクラヰ也

不退のくらゐに住すれば

かならず滅度にいたらしむ

ネチハンノサトリヲヒラク也

(580367)

諸仏しよぶちの大ふかければ

ミダヲシヨブチトマフス クワドニンダウノコヽロナリ

ぶちの不思議をあらわして

へんじやうなむの願をたて

女人成仏ちかひたり

(59)

至心・発願・欲生と

十九のグワン コノグワンオバゲンゼンダウシヤウノグワントイフコトアリ リムジユゲンゼンノグワントモアリ ライカウインゼウノグワントモアリ

ワアミダニヨライノオムコヽロザシナリ ムマレムトオモフヒトノコヽロヲスヽムル也

十方衆生を方便し

ノリ反カタドル反

タヨリ反スナワチト反

衆善の仮門ひらきてぞ

ハウベンノゼンナリ

現其人前と願じける

リムジユノトキニソノヒトノマヘニアラワレタマフベシトナリ

(600368)

臨終りむじゆ現前げんぜんの願により

ノゾム反

オワリニ反

アラワレム

ソノマヘニ

しや諸善しよぜんをことごとく

¬観経くわんぎやう¼一にあらわして

アツム反

ワカツ反

ぢやうさんしよをすゝめけり

シユジヤウ反ハタモノ反

ヂヤウシムサンシムノシユジヤウナリ

(61)

諸善しよぜんまんぎやうことごとく

しむほちぐわんせるゆへに

アミダニヨライノオムコヽロザシナリ ヨロヅノゼン人ヲスヽメタマフチカヒ也

往生浄土の方便はうべん

ぜんとならぬはなかりけり

(620369) «廿グワンナリ»

しむかうよくしやう

アミダニヨライノオムスヽメナリ ムマレムトオモフシユジヤウノコヽロザシヲスヽメタマフチカヒ也

十方衆生を方便し

名号の真門しんもんひらきてぞ

アンラクジヤウドニイルマコトノオシヘナリ

果遂くわすい者と願じける

ハタシトゲムトチカヒタマヘルナリ

(63)

果遂くわすいの願によりてこそ

ツイニハタシトゲムトナリ

釈迦は善本ぜんぽん徳本とくほん

インヰヲゼンポントイフ

クワヰノヲトクホントイフ

¬弥陀経¼にあらわして

一乗のをすゝめける

ヰチジヨウノキトハホウドニシヤウジユセシメン

(640370)

ぢやうさん自力の称名しようみやう

果遂くわすいのちかひにくゐしてこそ

ジリキノコヽロニテミヤウガウヲトナヘタルオバツヒニハタシトゲムトチカヒタマフナリ

おしえざれともねん

真如しんによもん転入てんにふする

ホフシンノサトリヲヒラクミトウツリイルトマフスナリ

(65)

安楽あんらく浄土をねがひつゝ

りきしんをえぬひとは

ぶち不思議ふしぎをうたがひて

へんまんにとまるなり

ギワクタイシヤウヲヘンヂトイフ コレハ五百歳ヲヘテホウドニハマイルナリ

シヨギヤウワウジヤウノヒトハケマンニオツ コレラハオクセンマンノトキマレニ一人ホウドヘハスヽムナリ

(660371)

如来のこうあひがたく

オコス反

仏ヨニイデタマフトイフナリ

諸仏のきやうだうきゝがたし

ヨロヅノホトケノオシヘニモアヒガタシトナリ

さちしようぼふきくことも

スグレタルホフ

シヨウボフトイフハ六ドハラミチナリ コレラニアフコトモワレラハアリガタシトナリ

无量こふにもまれらなり

(67)

ぜんしきにあふことも

おしふることもまたかたし

よくきくこともかたければ

ずることもなほかたし

(680372)

だい諸教しよけうしんよりも

ヒトヨ

ぐわん信楽しんげうなほかたし

ヒロクヒロマル

シンジム

ネガフコトナホカタシ

難中なんちうなんとときたまひ

カタキガナカニカタシトイフ

くわなんとのべたまふ

コレニスギテカタキコトナシトナリ

(69)

念仏じやうぶちこれ真宗しんしゆ

シンジチホングワンナリ

まんぎやう諸善しよぜんこれえうもん

ハウベンケモンナリ

権実ごんじちしんをわかずして

ハウベンノゼントシンジチノセイグワンヲワカズトイフ

ねんの浄土をえぞしらぬ

(700373)

しやうだうごん方便はうべん

カリニ

カリナリ

衆生ひさしくとゞまりて

しよてんのみとぞなる

サソラフ反

ウツリウツル

ぐわんの一じよう帰命せよ

已上¬大経¼意

 

¬観経¼意 九首

(710374)

恩徳おんどくくわうだいしや如来によらい

だいにんちよくしてぞ

くわうだい現国げんごくのそのなかに

ウテナ反

シヤカニヨライノオムヒカリノナカニサマザマノ国ヲゲンジタマフナリ

安楽あんらくかいをえらばしむ

(72)

びんしやわうちよくせしめ

宿因しういんそのをまたずして

マツ反

シウ反ムカシトヨム

仙人せんにん殺害せつがいのむくひには

コロシ

ソコナウ

ぢうのむろにとぢられき

カサナル

(730375)

阿闍わあじやわうは瞋怒して

イカリ

オモテニイカルヲシントイフ

イカル

コヽロニイカルヲヌトイフ

我母がもぞくとしめしてぞ

ワガハヽハコレアダナリトイフ

だうにはゝをがいせむと

ソコナフトイフ

つるぎをぬきてむかひける

(74)

耆婆ぎば月光ぐわちくわうねむごろに

せん陀羅だらとはぢしめて

不宜ふぎぢゆそうしてぞ

マウス反

ヨロシクコヽニヂユスベカラズ

闍王じやわうぐゐやくしむいさめける

(750376)

耆婆ぎばじんおさへてぞ

却行きやくぎやう退たいせしめつゝ

シリゾキサラシム

闍王じやわうつるぎをすてしめて

だいをみやにきむじける

イマシム

(76)

弥陀・しや方便はうべんして

なん目連もくれん富楼那ふるなだい

だち闍王じやわうびんしや

耆婆ぎば月光ぐわちくわうぎやうとう

(770377)

しやうおのおのもろともに

ぼむていのつみびとを

オホヨソ

タヾウド

ソコ

ワレラハダイカイノソコニシズメルトナリ

ぐゐやくあくもらさぬせいぐわん

アクハジフアクナリ

グヰヤクトイフハゴグヰヤクナリ

方便引入いんにふせしめけり

コシラフ

ミチビク

(78)

しやだい方便はうべんして

じやうえんじゆくすれば

ウム反カナウ反

ぎやうじんしようとして

カナウ反サトル反

闍王じやわうぐゐやくがいこうぜしむ

オコス反

(790378)

ぢやうさんしよ各別かくべち

センマンナリ

ヨロヅノシユジヤウ

りきの三心ひるがへし

如来によらい利他りたの信心に

にふせむとねがふべし

カヨフ反ミチト反

已上¬観経¼意

 

¬弥陀経¼意 五首

(800379)

十方ぢんかい

コマカナルチリ

念仏の衆生をみそなはし

摂取せふしゆしてすてざれば

オサメトル

シユハムカエトル

ヒトタビトリテナガクステヌナリ

セフハモノヽニグルヲオワエトルナリ セフハオサメトル

阿弥陀となづけたてまつる

(81)

恒沙ごうじや塵数ぢんじゆの如来は

まんぎやう少善せうぜんきらいつゝ

みやうがう不思議ふしぎの信心を

ひとしくひとえにすゝめたり

(820380)

十方恒沙ごうじや諸仏しよぶち

ごく難信なんしんののりをとき

ぢよくあくのためにとて

証誠しようじやうねむせしめたり

(83)

諸仏しよぶちねむ証誠しようじやう

ぐわんじやうじゆのゆへなれば

金剛こむがうしむをえむひとは

ツヨシ反

コムガウハヤブレズタヾレズウゲズ

弥陀の大おんほうずべし

(840381)

ぢよくあくあくかい

ぢよくあく邪見じやけんの衆生には

弥陀の名号あたえてぞ

恒沙ごうじや信心すゝめたる

已上¬弥陀経¼意

 

諸経こゝろ弥陀仏和讃 九首

(850382)

みやうの大をあはれみて

オホキナルヤミノヨ

ボムナウノワウヲムミヤウトイフナリ

法身のくわうりんきわもなく

ヒカリ

メグル

ホフシンハスベテコヽロモコトバモオヨバヌナリ コクニミチタマヘリ

无光仏としめしてぞ

安養あんやうかい影現やうげんする

カゲノゴトクニアラハルヽナリ

(86)

おんじちじやう阿弥陀仏

ムカシヨリマコトニアミダトナリタマヘルナリ

ぢよくぼむをあわれみて

しや迦牟尼かむにぶちとしめしてぞ

迦耶がやじやうには応現おうげんする

ジヤウボムダイワウノワタラセタマイシトコロヲガヤジヤウトイフナリ

(870383)

百千ていこふをへて

百千ていのしたをいだし

マンオクヲクテイトイフ クテイトイフハテンヂクノコトバナリ

したごとりやうのこゑをして

弥陀をほめむになほつきじ

(88)

しやうわうとときたまふ

浄土をうたがふ衆生おば

眼人げんにんとぞなづけたる

マナコナキヒトヽナヅク

モクレンシヨモンギヤウノモンナリ

*クワンネンボフモンニヒカレタリ

無耳人とぞのべたまふ

ミヽナキヒトヽイフ

観念法門に… ¬観念法門¼に引用はない。 ¬安楽集¼(上)、 ¬往生要集¼(上)に見られる。

(890384)

无上上はしんだち

ホフシンヲムジヤウジヤウトモイヒシンゲダチトモイフ

しんだちは如来なり

しんだちにいたるに

あい无疑むぎとはあらはるゝ

ヨクモナクウタガヒモナキコトアラワルナリ

(90)

びやうどうしむをうるときを

ホフシンノ心ヲウルトキトナリ

子地しぢとなづけたり

三ガイノシユジヤウヲワガヒトリゴトオモフコトヲウルヲヰチシヂトイフナリ

一子地はぶちしやうなり

安養あんやうにいたりてさとるべし

(910385)

如来すなわち涅槃ねちはんなり

ニヨライトマフスハスナワチネチハントマフスミコトナリ ネチハントマフスハスナワチマコトノホフシントマフス仏性ナリシルベシ コノボムブハコノセカイニシテサトラズ候ヘバタリキヲタノミマイラセテアンラクジヤウドニシテサトルベシトナリ

涅槃ねちはんを仏性となづけたり

ぼむにしてはさとられず

ボムブノヰドコロ

安養あんやうにいたりてしようすべし

(92)

くわん信心無疑むぎしやおば

しよ如来によらいとうととく

大信心は仏性なり

ワレラガミダノホングワンタリキヲシンジタルヲダイシンジムトイフ ムジヤウボダイニイタルヲダイシントイフナリ

仏性すなわち如来なり

(930386)

衆生有うげのさとりにて

サワリアルサトリニテ

无むげぶちをうたがへば

サワリナキ

ぞう婆羅ばらびん陀羅だらごくにて

ムケンヂゴクノシユジヤウヲミテハアラタノシゲヤトミルナリ ブチポフヲソシリタルモノコノヂゴクニオチテハチマンゴフヂユス ダイクナウヲウク

こふしゆにしづむなり

已上諸経意

 

現世のやく和讃 十五首

ヤワラゲホメ

(940387)

«東方ヤクシ南方クヱカイ西方ムリヤウジユブチ北方ニシヤカノトキタマフ»

阿弥陀如来来化らいくゑして

キタリクヱシタマフアハレミタマフナリ

息災そくさい延命えんめいのためにとて

ワザワイ反

ノブ

イノチ

¬こむ光明くわうみやう¼の「寿いゆりやうほむ

«四クワンノキヤウ也 コレヲサイシヨウワウキヤウトイフ 十巻也»

ときおきたまへるみのりなり

(95)

さん伝教でんげう大師は

ヒエノヤマナリ

こく人民にんみんをあわれみて

なん消滅せうめち誦文じゆもんには

キエホロブ

ソラニウカベヨムヲジユトイフ

南无阿弥陀仏となえしむ

(960388)

一切の功徳にすぐれたる

南无阿弥陀仏をとなふれば

ぢうしやうみなながら

かならずてんじてきやうなり

スクナクナス反ヨクナス反

(97)

南无阿弥陀仏をとなふれば

この世のやくきわもなし

てんりんのつみきえて

ぢやうごふ中夭ちうえうのぞこりぬ

(980389)

南无阿弥陀仏をとなふれば

梵王ぼむわうたいしやくくゐきやう

テンノカミタチナリ

諸天善神ぜんじんことごとく

よるひるつねにまもるなり

(99)

南无阿弥陀仏をとなふれば

四天大王もろともに

よるひるつねにまもりつゝ

よろづの悪鬼をちかづけず

(1000390)

南无阿弥陀仏をとなふれば

堅牢けんらう地祇ぢぎは尊敬す

タウトミウヤマフ

コノヂニアルカミヂヨリシタナルカミヲケンラウヂギトイフ

かげとかたちとのごとくにて

よるひるつねにまもるなり

(101)

南无阿弥陀仏をとなふれば

なん跋難ばちなん大竜等

無量の竜神りうじん尊敬し

よるひるつねにまもるなり

(1020391)

南无阿弥陀仏をとなふれば

えむ法王ほふわうそんきやう

タウトミウヤマフ

五道冥官みやうくわんみなともに

よるひるつねにまもるなり

(103)

南无阿弥陀仏をとなふれば

くゑてんの大わう

釈迦牟尼仏のみまへにて

まもらむとこそちかひしか

(1070392)

じん地祇ぢぎはことごとく

テンカミ

ヂノカミタチ

善鬼神となづけたり

これらの善神みなともに

念仏のひとをまもるなり

(108)

願力不思議の信心は

大菩提心なりければ

天地にみてる悪鬼神

みなことごとくおそるなり

(1040393)

南无阿弥陀仏をとなふれば

くわんおむせいはもろともに

恒沙ごうじや塵数ぢんじゆさち

イサゴノカズノゴトク

チリノカズノゴトク

かげのごとくにみにそへり

(105)

无光仏のひかりには

しゆの阿弥陀ましまして

化仏くゑぶちおのおのしゆ

光明くわうみやうりやうへんなり

(1060394)

南无阿弥陀仏をとなふれば

十方无量の諸仏しよぶち

ぢうぢうねうして

アマタ反

カコム反

メグル反

カサナル反

よろこびまもりたまふなり

已上現世利益

已上弥陀一百八首 釈親鸞作

 

¬首楞厳経¼によりて大勢至菩薩和讃したてまつる

(1090395)

勢至念仏円通

マドカニカヨフ

五十二菩薩もろともに

すなわちよりたゝしめて

仏足ぶちそくちやうらいせしめつゝ

ホトケノミアシ

(110)

教主けうしゆそんにまふさしむ

シヤカニヨライナリ

わうじやくごうしやこふ

ムカシトイフ

仏よにいでたまへりき

无量光となづけた

(1110396)

十二の如来あひつぎて

十二劫をへたまへり

さいの如来をなづけてぞ

超日月光とまふしける

(112)

てう日月光このみには

念仏三昧おしえしむ

十方の如来衆生を

のごとく憐念れんねむ

アワレミオボシメス

(1130397)

はゝをおもふごとくにて

衆生ほとけおくすれば

オモヒマイラストナリ

現前げんぜん当来たうらいとおからず

如来を拝見はいけんうたがはず

ミタテマツルナリ

(114)

染香人ぜむかうにんのそのみには

カウバシキカミニソメルガゴトシトイフ

かうあるがごとくなり

カウバシキカノアルガゴトシト

これをすなはちなづけて

かうくわうしやうごむとまふすな

ネムブチハチヱナリ

(1150398)

われもといんにありしとき

念仏のしむをもちてこそ

无生にんにはいりしかば

フタイノクラヰトマフスナリ カナラズホトケニナルベキミトナルトナリ

いまこのしやかいにして

(116)

念仏のひとをせふしてこそ

浄土にくゐせしむるなり

大勢至菩薩の

大恩ふかく報ずべし

0399已上大勢至菩薩

源空聖人之御本地也

 

¬経¼言、

 「われもと因地にして   以↢念仏

 れり↢无生忍↡  いまコム↢此カイ

 摂して↢念仏↡ 帰せしむるなりと↢浄土↡」