雨
今日も雨か。
うん。でも雨の日は静かで落ちつくし、きらいじゃないよ。
そうだね。そう言われてみれば、
雨がふるのって不思議といえば不思議だ。
水が大切だということ?
それももちろんある。でもそれ以上に、雨がふるということは
水のおおきな
それ知ってる!
雨がふって川になって、海にとどいてまた空にのぼって、
雲になって雨にふって… ということでしょ!
そのとおり。だから雨がふるのは、
うれしいときも困るときもあるけれど、それはこっちの都合で、
いちばんおおきなところでは水のねがいのあらわれだものね。
川さんも雲さんも…
みんな、水のねがい?
そう。それに、
水のねがいもいのちのねがいのなかでめぐっているんだろう。
それなら、ぼくはいのちの雨ってこと?
それはいいね。いのちの雲かもしれないよ。
友だちがいっぱいの雨粒がいい。
なら、あなたといっしょに、
泣いてる人も苦しんでる人もいるね。
そうかぁ…。だから雨って切ないんだ…。
わたしたちみんな、いのちのねがいのあらわれではあっても、
おおきないのち、いのちのめぐりそのものではないからね。
目の前ではみんなばらばらなのに、ねっこのところでは
いのちのねがいにつながれているのが感じられるから、痛くて
うれしいのかな。
そうだね。
今日も雨だ。